童貞役で筆下ろし物のAVに出た話①

ある日、某AV監督がTwitterでこんな投稿をしているのをたまたま見かけました。

「緊急!本物童貞募集!応募条件: 童貞である事。顔出しOK。20〜30歳の方。


面接して合格すれば有名AV女優に筆下ろししてもらえます!ご応募お待ちしております!」

おぉ。こういうの話では聞いた事あるけど、実際に募集しているのは初めて見た。なんか胡散臭いけど。

と思いつつ、興味本位でDMをしてみたのが全ての始まりでした。

どうせ返事も返ってこないだろうと大して期待もしていませんでしたが、2〜3日たった頃、返事が返ってきました。

「ご応募ありがとうございます。〇〇日に都内で面接して合格すれば、〇〇日に撮影となりますがご都合はいかがですか?」

なんか本物っぽい。監督のアカウントもどうやら本物みたいだし、詐欺の類いではなさそうだ。

と思い、当時私は地方に在住していたので「面接はリモートでも大丈夫ですか?」と確認をすると、丁寧に対応してくれました。

昨今、AV新法によってエキストラのAV男優がAVに出演する事が不可能になったそうなのでそれより前に出ておいて良かった…。

面接はLINEのビデオ通話で監督ともう1人、プロデューサーの方と2対1でした。

Twitterで見た写真だと結構怖そうな印象でしたが話すと普通に優しそうで安心しました。

30分程度、出身地や現在の仕事、趣味の話など私の人柄を質問され、他にアダルト配信サイトは勿論

YouTubeや TwitterなどのSNSにも出回る可能性が大いにあるがその辺は大丈夫か。という事務的な質問をされ

まあ大丈夫ではなかったのですが、ここで折れると出演以前の問題になってしまうので、取り敢えず「問題ないです」と答えました。

特に畏まった感じではなく、面接というよりは雑談の様な緩い感じで、最後に「合否は1週間後ぐらいにまた連絡します」と言われその日は終わりました。

AVの面接って性器を出せとか何とか言われるのではと心配していたので、何事もなく無事に終わって何だかホッとしたのを覚えています。

1週間後、監督からLINEがきました。その内容は、審査で悩んでいる。というもので、

4人までは絞れたが2人に絞るのが少し難しいので、「童貞と私」というテーマで軽い作文を書いて欲しい。それで判断する。と言われました。

思わず笑ってしまいましたが、候補の4人には残れている事に驚いたのと、自分ってそんなに童貞っぽいのかなぁ。とか思いながら作文を書いて提出しました。

言い忘れていましたが、私は童貞ではありません。毎日の様にピンサロに通いまくっています。ビジネス童貞です。

元々、文章を書くのは得意だったので、これはもらったな。と思い、ユーモアを含ませたフィクションの作文を提出しました。

こちらが実際に提出した作文です。

この作文で何を見ているのかという監督の意図は掴めませんでしたが

何故かこの時は謎の自信に満ち溢れていました。就活時代を思い出している様でした。

2〜3日後、監督からLINEで
「合格です。当日は宜しくお願いします。」というメッセージがきて

「どうしよう。受かってしまった。」という焦りと「本当にAV女優とセックスができるのか!」という夢が叶った様な気持ちが錯綜していました。

出演するにあたって性病検査が必須だった為近くの泌尿器科で指示された項目の検査を全て受けました。

クラミジア、淋病、ヘルペス、コンジローマ、梅毒、HIVなど全て検査した為、中々の出費で財布には痛かったのですが、これでAV女優とセックスできるなら安いもんだ。と自分に言い聞かせました。

医師には、「興味本位でお聞きしますが、問題なければ何故こんな検査をするのか教えていただけませんか?」と聞かれ、答えるか少し迷いましたが、
まあいいかと思いAVに出る事を話しました。

医師も興味深そうに笑ってくれて、「大変ですねぇ。お仕事も…」みたいな事を言われ、まあ仕事では無いんですけどね。と思いつつ病院を後にしました。

数日後、検査結果が出て無事全て陰性だったので、監督に報告すると、当日の詳細が送られてきました。

詳細と言っても、「当日の服装(清潔感のある服装)はこうで、検査票を忘れずに持って、〇〇に何時に集合して下さい。」

という内容だけで、女優が誰とか台本などは一切教えてくれませんでした。

撮影は深夜までかかる。と言われていたので、当日とその翌日は有給をとり、新幹線で都内に向かいました。

スタジオに着くと、裏方やAD、カメラマン、監督、プロデューサーと思ったよりも多くの人がいて驚きました。

なんだか急に緊張してきて、これから本当にAVに出るんだ…とドキドキしながらドアを開けると、面接してもらった監督に

「待ってたよ!みんな!今日出演してくれる童貞君!宜しくね!」と気さくに話しかけてくれました。

怖い人とか出てきそうで不安だったのですが、みんな良い人そうで安心しました。

今日、2人来る事は聞かされていたので、もう1人の童貞は一体どんな人なんだろう。と興味深々で先にセットがある部屋で待機する事になりました。

「うわぁ。AVで見た事あるセットだ。」とテンションが上がり、不安なんて忘れてワクワクする子供の様な気分でした。

しばらく待っていると、もう1人の童貞が姿を現しこの時初めて対面しました。

第一印象は、「うわぁ。童貞だ…これは本物だ。聞かなくてもわかる。」と見た瞬間に童貞だとわかる童貞臭100%の童貞でした。

「初めまして。今日は宜しくお願いします。」とこちらから挨拶すると、何だか暗い声で
「よ、宜しくお願いします。」と言われ、
うーん。仲良くはなれそうにないな…と思い少し残念でした。

待ち時間に、気になっていた作文についてお互いに見せ合ってみましたが、彼の作文はお世辞でも誉めようがない程、面白くない文章でした。

ただ、リアルな童貞である。という事だけはヒシヒシと伝わってきました。

見た目も作文も、彼を前にしたら本物だと疑いようがないので「あぁ。これは本物だな」とこの時確信しました。何の確証もありませんが。

そして、いよいよ予告されていた時間の30分前に監督から女優の名前を聞かされました。

女優は2人いて相手はあおいれなさんと向井藍さんでした。

(左)あおいれなさん (右)向井藍さん

どちらも普通に知っているし、何度も作品を見てオカズにしたこともある女優だったので、思わず心の中でガッツポーズをしました。

続けて、今回の企画の説明をされ、内容は、
2人にはそれぞれ別の女優とデートをしその後セックスをする。というものでした。

どうして2人募集するのか理由を聞かされていなかったので、1人が使い物にならなかったり当日来なかったりした時用の2人かな。
とか思っていましたが、そういう事か。と、この時納得しました。

となると、問題はどちらがどちらかを選ぶのかですが、監督は「そこは2人に任せるよ。30分後また来るからそれまでに2人で決めといて。」と言い、部屋を出ました。

一応、どっちがいいか「せーの」で言い合うと、2人共あおいれなさんでした。そんな気がしていました。

「どうします?ジャンケンします?」と言うと、童貞はそれは嫌だと言い出して俯いてしまったので、どうしようかと思い、決められないので監督に決めてもらおう。という事にしました。

監督が来ると「えっ、決まってないの?ジャンケンしなよ!」と言われたので、結局、ジャンケンで決める事になりました。

結果、私の勝ちで無事あおいれなさんを勝ち取ることができました。

監督は、「よし!決まりだね!じゃあこれから2人にはデートに行ってもらうから外に出て!」と言われ、私はウキウキでスタジオの外に出ました。
彼は何だか悲しそうな目をしていました。

ここで、初めてあおいれなさんと向井藍さんと顔を合わせました。2人を見て、「すごい。本物だ!これからあおいれなさんとデートできるんだ!」と

気分が高揚していたのと同時に、何を話せばいいんだろうという不安が頭をよぎりました。

しかし、そんな心配は杞憂に過ぎませんでした。

続く

童貞役で筆下ろし物のAVに出た話②


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